2025/05/09 12:28

■デニムの歴史

デニムはフランス・ニーム地方で生産されていた厚手の綾織物が発祥です。 その語源は、フランス語の「セルジュ・ドゥ・ニーム(serge de Nîmes)」に由来し、「ニーム産のサージ生地」を意味します。

この表現が変化し、現在の「デニム」という名前になったとされています。

*サージ生地は綾織りで織った生地。



■デニム生地について

 デニム生地とは、丈夫なコットン生地の一種で、インディゴ染料で染めた経糸(たていと)と、染色されていない白色の緯糸(こ いと)を使った綾織り(ツイル織り)で作られます。


特徴的なのは、インディゴ染色の経糸を使用し、綾織りで右上がりまたは左上がりの畝を形成することです。


平織りで作られたものは通常デニムとは呼ばれません。

なお、「デニム」とは生地そのものを指し、仕立てられて製品化されたもの、例えばジーンズは別物として扱われます。



■幅広い用途に使えるデニム生地

デニム生地といえばジーンズやジャケットを思い浮かべる方が多いですが、実は非常に幅広い用途に使われる万能な生地です。

デニムには数オンスから20オンス程度まで、さまざまな厚みがあります。

この「オンス(oz)」という表記は、デニムの重さを示しており、1平方ヤード(約91.44cm四方)の生地の重さを基準とします。具体的には、1オンスは28.35gに相当します。

一般的なデニムは13oz前後で、1平方ヤードあたり約370gの重さです。オンスは重さの単位ですが、デニムの場合はオンスが大きくなるほど生地が厚くなり、その特性が用途の幅を広げています。


                                    oz デニム                              10 ozデニム


デニムの用途とオンス数

  1. 3.5オンス~8オンス

使用例: シャツ、スカート、ワンピース、チュニック、薄手のパンツ、カーテン

  1. 9オンス~10オンス

使用例: スカート、パンツ、ジャケット、ライトコート、ソファカバー、バッグ、カーテン

  1. 11オンス~14オンス

使用例: パンツ、ジャケット、コート、バッグ、ソファカバー、重めのカーテン

  1. 15オンス~20オンス

使用例: パンツ、ジャケット、コート、バッグ


オンス別の特徴

  • 軽いオンス(812オンス) 通気性が良く、薄手で柔らかいため、暖かい季節にぴったり。

シャツ、ワンピース、夏用ジーンズ、ショーツなどに使用されます。

  • 中程度のオンス(1216オンス) 丈夫でオールシーズン対応。

ジーンズ、スカート、ジャケット、シャツなど幅広い用途に使われます。

  • 重いオンス(16オンス以上) 厚手で耐久性が高く、寒い季節やアウトドア活動に。

ワークウェア、アクセサリー、バッグなどに使用されます。



日本のデニムの産地


日本は世界的に有名なデニム産地で、特に岡山県倉敷市と広島県福山市が中心地として知られています。高品質なデニム生地の製造で評価されており、多くのブランドに利用されています。


岡山県倉敷市:児島デニムの聖地 岡山県倉敷市の児島地区は、国産ジーンズ発祥の地。児島デニムは伝統技術と熟練職人による製造で、独特の風合いと染色技術が特徴です。


児島デニムの魅力

  • 歴史的背景: 元々綿花の生産と織物産業が盛んで、1973年に倉敷紡績が国産デニム生産を成功させたことから発展。
  • 最高品質: 熟練の職人技術により、児島デニムは色落ち後の美しい表情が評価され、海外ブランドにも採用されています。
  • 藍染の特徴: 「児島ブルー」として知られる独特の青色は、伝統技術を活かした藍染によるものです。


広島県福山市:デニムとテキスタイルの町

 広島県福山市は、日本のデニム生産地として注目されているだけでなく、テキスタイル産業全般が盛んな地域です。その独自の技術と創造力により、高品質なデニム生地が生み出されています。

 

歴史的背景

  • 江戸時代から綿の栽培、製織、染色が盛んで、後期には「備後絣(びんごがすり)」が誕生。これは厚手の織物技術や藍染めなどの基盤を築きました。
  • 備後織物は「丈夫で安価」として評価され、1960年には全国生産量の70%を占めるまで発展。

福山市デニムの特徴

  • 繊細な染色技術と緻密な織り模様を駆使し、高品質なデニムを生産。
  • 紡績・染色・織布・加工といった全ての工程を地域企業が担い、一貫した生産体制を構築。

■バリエーション豊かなデニム素材


デニム素材はコットンだけに限らず、リネンやウール、シルクなどの天然素材を織り込んだものや、機能性を持たせるためにポリエステルやレーヨンを混紡したものがあります。それぞれに特有の魅力があります。


天然素材のデニム

  1.リネンデニム

特徴: 通気性と吸水性に優れ、清涼感があり春夏に適しています。軽やかな素材で、ワイドパンツなどによく使用されます。                                       

                                       コットンリネンデニム                                キュプラリネンデニム

   

  2.ウールデニム

特徴: 色落ちやシワを軽減する新しい素材。柔らかく艶やかな仕上がりで、ジャケットやスーツに使用されます。


3.シルクデニム

特徴: 上品な光沢感としなやかなシルエットが魅力。軽さと柔らかさにより、着心地が良い高級感あるデニムです。  

                                コットンシルクデニム


機能性素材のデニム

   4,レーヨンデニム

        特徴: 柔らかさとドレープ感が際立ち、艶感を持つ春夏のレディースアイテムに人気。




■「actrhea」のデニムアイテムは、すべて児島デニムを使用しています。岡山県倉敷市児島の素材メーカーを訪ね、多種多様なデニム生地の中から、デザインに最適な素材を慎重に選びました。

バルーンスリーブ ジャケット  

https://www.actrhea.com/items/97883433

バッスルティアード スカート

https://www.actrhea.com/items/104038909

マリンパンツ

https://www.actrhea.com/items/104446084