2025/05/23 16:19

ブランドを立ち上げる際、「どんな洋服を作るのか」というテーマはブランドの核心となるものです。

コンセプトやイメージ、アイテムを具体的にどのように洋服へ落とし込むのかが、ブランドの個性を形作るポイントとなります。

actrhea」では、女性が幅広いシーンで快適かつ自信を持って着られる洋服をデザインしています。

その基軸となるのは、以下のコンセプトです


【デザインコンセプト】

 GLAMOUR: クチュール感があり、ヒストリカルデザインをテーマにした一着

・ TIMELESS: トレンドに左右されず、長く愛用できる洗練されたスタイル

・ JOUR et NUIT: 日常からきちんとした場まで対応する、上品で実用的なデザイン

・ BOUDOIR: レトロフェミニン、ヴィンテージ、ロマンティックなムードなデザイン

・ SEASON-LESS: 通年素材を用い、季節を問わず楽しめるアイテム


れらのデザインコンセプトを追求することで、actrheaは多様な女性のライフスタイルを輝かせる洋服を目指しています。



■ 1950年代のクチュール感を纏った【バルーンスリーブ デニムジャケット】

定番のデニムジャケットでは物足りないそんな思いから生まれた「actrhea」の新作、「バルーンスリーブ デニムジャケット」。

1950年代のクチュール感をデザインに取り入れ、エレガントで独特な魅力を持つ一着です。

特徴的なバルーンスリーブは、ふんわりと膨らむシルエットを生み出し、クチュールライクなボリューム感を演出します。

特別な場面にも日常使いにもぴったりで、コーディネートにもエレガントさをプラスします。


<デザイン画>

<トワル>

デザインから立体へ――トワルで形を確認する大切な工程

紙でのデザインからシーチングで立体になったトワル(半身)。

トワルを実際に着て、シルエットやサイズ感などをチェックします。トワルはピン打ちの仮固定なので、時々針先に刺さりながらも調整していきます。今回のトワルチェックでは、袖のふくらみが足らなかったので、タックを入れてボリューム感を追加。

また裾丈が胸のふくらみによって上がってしまうため、+1cmの調整を加えました。

このように細かい調整を重ねながら、理想のシルエットへ仕上げていきます。

トワル作成はデザインの完成度を高めるために欠かせない重要な工程です。

ジャケット | ドレスアップ・デニム【actrhea】


■ 華やかでエレガントな一着【リバーレースヨーク カットソー】

日中の外出から夜のカクテルシーンまで、幅広い場面で着こなせるようデザイン。リバーレースを使用することで、上品さと華やかさが際立つスタイル。

シルエットは快適な着心地と美しいラインの両立を目指し、一枚でおしゃれが完成するデザインに。

さらに、ヨークから袖まで続くフリルのラインは、甘くなりすぎないようバランスを調整し、品のある仕上がりにしました。


<デザイン画>

<トワル>


素材に合わせたトワル作成のこだわり

actrhea」では、デザインや素材に応じてトワル作成を工夫しています。ジャケットでは伸びないシーチングを使用しますが、カットソーの場合はジャージー素材を使用して作成しています。

ジャージー素材は伸縮性があるため、実際の生地に近い状態で仕上がりを確認できるのがポイントです。

特にカットソーは、フリルが袖と一体化したデザインのため、トワルは両身を採用。

トワルチェックでは、ボトムインでもアウトでも着こなせる理想の丈を探し、着丈を+1.5cmに調整しました。

また、ネックラインは1cm広げることで脱ぎ着のしやすさを改善しています。

素材やデザインに合わせて細部までこだわり抜くことで、完成度の高いアイテムを目指しています。


リバーレースヨーク カットソー オーキッドピンク | ドレスアップ・デニム【actrhea】


■ 優雅さと華やかさを引き立てる【リバーレース ショルダーフリルブラウス】

大人の女性が持つ魅力と上品さを一層引き立てるよう、エレガントで繊細なデザインに仕上げました。

肩には華やかさをプラスするフリルをあしらい、襟元にはスカラップを施すことで、洗練された印象を演出。

また、ネックラインにはギャザーを加え、ふわりと広がるシルエットが特徴ですこの一枚で日常に華やかさと優雅さを演出し、特別なシーンでも自信を持って着こなせます。


<デザイン画>

<トワル>

総レースブラウスのトワルチェック――繊細なデザインと細部へのこだわり

総レースブラウスのトワルチェック。スカラップを使用する部分は色付きチュールで作成。

半身のトワルチェックは簡単ではありません。レースブラウスは基本的に素肌に着用するため、厚手のTシャツを着ることができず、針に刺さりながら微調整を進めます。

今回のチェックでは、ふわっとしたシルエットを実現するために襟元のギャザーを増やしました。また、後ろの開きを+2cm下げて、脱ぎ着のしやすさを考慮。

ショルダーフリルは軽やかに仕上がるよう短めに調整し、より動きのあるデザインへ。さらに、袖のパフスリーブのボリュームを加え、女性らしい華やかさをプラス。

インスタイルでもアウトスタイルでも着こなせるように、丈はヒップにかかる長さに。

修正を重ねながら、総レースブラウスの美しさと実用性を追求しました。


ショルダーフリル リバーレースブラウス(限定商品) | ドレスアップ・デニム【actrhea】


■ マスキュリンとフェミニンの融合【コットンボイル タキシードシャツ】

メンズアイテムであるタキシードシャツに、パフスリーブや繊細なフリルなどのフェミニンなディテールを加えることで、マスキュリンとフェミニンが融合したデザイン。

ラウンドヨークのピンタックは柔らかい雰囲気を演出し、ビジネスからカジュアルまで幅広いコーディネートを楽しめるよう、シャツカラーを採用しました。

さらに比翼仕立てのフロントデザインは、襟元以外のボタンを隠し、クリーンでシンプルな印象に。

大人の女性らしい優雅さを出すためふんわりとしたパフスリーブやカフスに施されたフリルが、フェミニンな雰囲気をさらに強調したデザインとなっています。


<デザイン画>


<トワル>


シャツのトワルチェックとフィット感の調整

シャツのトワルチェックを行い、細かな調整を重ねながらデザインと機能性のバランスの両立を目指しました。

腕に程よくフィットさせることで動きやすさを確保し、袖ぐりのサイズを調整。袖ぐりが大きすぎると、腕を上げた際に身頃まで持ち上がってしまうため、この点の修正を施しました。

また、袖山にはギャザーを追加し、パフスリーブにふんわりとしたボリューム感をプラス。カフスの長さも+0.5㎝ほど微調整し、よりフェミニンな雰囲気を演出しました。

こうした細かい修正を積み重ねることで、デザインと快適な着心地を兼ね備えた一枚へ仕上げていきます。


コットンボイル タキシードシャツ | ドレスアップ・デニム【actrhea】



今回は「actrhea」の服作りについて、その背後にあるストーリーをご紹介しました。

私たちの服が完成するまでには、さまざまな過程があります。

まずは、素材選び。これは非常に重要なステップです。デザインのイメージに最適な素材を探し、選び抜かれたものだけを使用しています。時には、理想の素材が見つからず、新たな素材探しに挑むこともあります。

こうした積み重ねの中から、一着の洋服が完成します。

さらに、「デニム」や「リバーレース」といったこだわりの素材については、ブログ記事もぜひチェックしてみてください。

ぜひ、洋服を手に取る際には、背景にある物語や工程にも思いを巡らせてみてくださいね!